The FERDELANCE TGC-70HR/GP フェルデランス TGC-70HR/GP

シビアなスポットへキャストを決めるための7フィートというレングスと、余分なスタックの軽減やウィードをカットしやすくするため、またカバー越しでもビッグバスの上顎に確実にフックアップさせるためにグラスロッドの中では硬めに設計されたブランクスはクランクベイトやバイブレーション等のファーストムービングルアーを、より攻撃的かつ効率的に操る事を目的に突き詰められた。
T-MNSTオーシャントップガイドと#2~#6ガイドに“T-KWSG”を組み合わせたスパイラルセッティングは、捻じれやすいグラスロッドのパワーロスを排除し、ブランク本来が持つ強靭なトルクをフルに引き出すことを目的としたセッティング。
グラスロッド特有の、掛けてからバスに首を振らせることなく浮き上がらせる、トルクフルな曲がりがフルに活かされた攻撃的グラスロッド。

クランキングやバイブレーションなどファーストムービング系に特化した木村建太プロデュースのグラスコンポジットモデルの“フェルデランス”。
イヴォークと同時期に開発が進められ、“しなる”ことをメインコンセプトに、随所にこだわり開発が進められたロッドです。

“フェルデランス”発売にあたり、木村建太はブログで下記のように語っています。

KimKenブログ/フェルデランス間も無く!!

このロッドを語る上で「なぜグラスにこだわるの?」って疑問を抱いてる方が多いかもしれないので、ぼくが考えるグラスロッドの利点を書いておきましょう。「重いし、ダルいフィーリングやし、感度悪いし、おれグラス嫌いやねん。」って人が多いのも事実。だけど、ぼくはグラスに拘る。

よく「グラスじゃないとバイトを弾く」という風に言われますが、その点は個人的にグラスを使うほどの理由にはなりません。
メリットを一言で言ってしまうと“しなる”ということに尽きます。

簡単な理由。

これだけじゃあ、ピンとこないかもなので、ぼくが良く人にグラスについてのメリットを聞かれた時に説明する例を挙げてみます。

釣り場でコイ釣りのおっちゃんが魚を掛けてやりとりするシーンを目撃したことがあるでしょうか?
デカいのが掛かってるわりに、ぼくらが同クラスの鯉をスレで掛けてしまった時より、楽々と魚とやりとりしてます。
これは、ただおっちゃんがパワフルだって可能性も否めませんが、、最も大きな違いは、竿が長く、より大きなストロークでしなり続けることで、魚にテンションがかかり続け、反転させずにやりとりができるためです。これは、魚のサイズのわりに細いラインを使用してるアユ釣りの竿でも、ヘラ釣りの竿でも同じ原理。
一方、狙ったところにキャストしたり、ウィードを切ったり等々、操作性を重視されて進化したバスロッドは、これらの他魚種の釣りに使用する竿に比べ、魚のサイズの割に極端に短い。
当たり前過ぎることなんですが、実はバスロッドをデザインする上で、この“長さの違い”は大きな壁として立ちはだかります。
短い、高弾性=テンションがかかったり抜けたりしやすく、魚に首を振らせてしまいやすい。なかなか魚が浮き上がってこない。
長い、低弾性=緩やかかつトルクフルにテンションをかけたままの状態になるので、魚が暴れにくく、首を振りにくい。魚が浮いてきやすい。
このロッドの特性の違いは、腕でカバーできる次元ではないほど、魚とのやりとりにおいて大きな違いとなります。
つまり、長くできないバスロッドだからこそ、弾性の低いグラスというマテリアルの力を借りてロングロッドの緩やかな“しなり”を表現しちゃおうと、いうのがグラスロッドの本質なのです。

フェルデランス開発前に「こんなグラスロッドを作ろう」とテーマにしたのは、

①キャストを決めたいとこに決めれるアキュラシー性能。
②カバークランキング時にウッドカバーやベジテーション、ウィード等への余分な食い込みを防ぐための、柔らかすぎないティップ。
③カバーやウィード越しでもしっかりフッキングできるだけの強さ。
④グラス特有のもたつき感を、可能な限り排除するバランス。

“しなる”と“柔らかい”は別物ということを強く意識した上で、理想を追いかけると、やはりカーボンコンポジットの“硬めのグラスロッド”になってしまいました。

キャスト後の「ボヨーン。。」ってフィーリングや、引っかかった感触がウィードなのか魚なのかイマイチ分かりづらいっていうグラスロッドのウィークポイントを可能な限り排除しつつもグラスらしい“しなり”をしっかり残すことを大切にしながらテストを続けて参りました。

 

フェルデランスには、ブッシュバイパー同様のスパイラルガイドを採用しました。
避けては通れない“しなる”ロッドの宿命。“ねじれ”の問題をクリアするためです。
昔からしなりやすいロッドを使用する上で、イマイチ気に入らなかったポイントが、曲げた時のねじれによるパワーロス。ブランクスの上にガイドが乗る形のベイトロッドは、特によく曲がるロッドだと強く曲げた際にねじれてティップ付近のガイドが引っ張られ、上にあるはずのガイドがスパイラルガイドのように下向きになってしまう現象が起こります。
この際のパワーロスが数センチのライン滑りを引き起こし、グラスロッドのもたつき感の原因の一つになってるのでは?と考え試して見たところ、かなりタイトなフィーリングを体感できました。

簡単に言うと、どうせねじれるのなら、最初からねじっとく。これがスパイラルガイドを採用した理由です。
キャストへの影響も色んな条件で試してみましたが、正直体感できるレベルではありませんでした。

バシバシキャスト決めて、ガンガンカバーの中通して、バシバシウィードやらゴミ切って、バシバシ合わせて、ゴリ巻きでデカいの獲る。
そんな攻撃的なロッドだというイメージで、お店や試投会で一度触ってみていただけると幸いです。

PESCA MANIA vol.05『春のシャロークランク/木村建太』では、魚とのファイト時はなるべく首を振らせないように心がけてることはもちろん、魚のサイズのわりに浮いてくるのが速いことが見てとれると思います。

BAIT CASTING model
Length:7’0” 1piece
Lure Weight:3/8~2・1/2oz
Line:10~30lb
Action:Heavy Regular Taper
Grip Length:388mm(Grip脱着不可)
自重:約150g
Price:¥57,200(税抜¥52,000) 2013.10 release.