同船釣行/奥村和正2005

このページでは、2005 depsweb members年度末特別企画“奥村和正×ウェブメンバー同船釣行” の模様をレポートします。
2006年6月17日土曜日、ハイシーズンを迎え湖上にぎわう琵琶湖での、1日限りのフィッシングドリーム。今回はどんなドラマが待っているのでしょうか…カメラは黒いコブラの船跡を追いかけます。


奥村和正
株式会社デプス代表取締役。最近社長がオフィスの水槽で飼い始めたザリガニは、ずっと眺めてても飽きません(笑)

朝イチの反応は…いまひとつ。

午前5時出船。風も無く静かな朝。天気予報では1日中曇りで、雨は降らないとのこと。スタッフもカメラが雨に濡れる心配をしなくてすむのでホッとしました。
雑誌やDVDで見たのと同じ、あの黒いコブラに乗り込む。プレーニングの強烈なパワーと超高速の疾走感にはいつもハラハラさせられます!

最近の琵琶湖は、大雨による水量増加にともない南郷洗い堰からの放水量増加と、その水の動きにともないアユ&ハスなどのベイトフィッシュがエリアを移動するため、ポイントが絞りにくい状況。
また水位が高いため、毎年この時季バサーが目安とするエビモが水面に顔を出さず、近寄らないとウィードを視認しづらい。
ベイトフィッシュが多いエリアで、さらにバスがつきやすいウィードを丁寧に探していくという効率の悪い作業が要求される。奥村の目に、当日の琵琶湖はどう写ったのだろうか?

朝イチ立ち寄ったのは、赤野井一文字付近。朝イチをトップウォーターで流していく。
水川さん、バズジェットからラドスケールにチェンジし、速めのトゥイッチで“ジャジャ馬”ドッグウォーク。
魚からの回答を求めアイテムとカラーをチェンジさせていく。

奥村もバズジェット、ラドスケールで反応を伺っていたが、「あ、これってどうなんやろ?」と言ってウェブメンバー2006入会特典ルアーS103のリアフックをはずし、スプリットリングにバッファロー(!)をとりつけてキャスト。
しばらくすると今度は、最近チューニングしてみたという手曲げペラを装着したS103スウィッシャーをキャストしていた。
そんなのアリ?という発想が、平凡と非凡の差を生んでいく。その奇想天外なアイデアをデカバスに結びつけるセンスが“違い”なのではないでしょうか。


デスアダーホッグのテキサスに好反応!

「う~ん今日はカンが冴えんなぁ。」とつぶやいた奥村は赤野井→下物→浜大津とエリアを移動。
曇りのはずだった天気予報はハズレ、まだ午前8時だというのに太陽がジリジリと照らし、ゲストもたまらずレインウェアを脱ぎ捨てる。
「ボートだらけやな。」この日は週末土曜日とあって、さすがに湖上はボートが多い。浜大津一文字沖のウィードエリアで、ゲストはデスアダーホッグをテキサスリグにセット。ウィードの株を丹念に探るが反応ナシ。

3人とも無言…ホントに無言…社長は釣りしてる間、口数が少ないのはいつものこととして…水川さん、社長の足元に置いてあるルアー、気にならないのかな?4連ジョイントビッグミノー、S103、ビッグペンシル!、ビッグクランクベイト!!などなどプロトモデルのオンパレードです。
緊張して喋りづらいのは判るけど…もっと楽しんでくれたらいいのに(笑)。黙々とウィードの根元を撃ち続ける、無口な3人。
奥村が次に向かったのは、琵琶湖南湖でも屈指のデカバスポイント、ディープホール。3人はデスアダーホッグのテキサスリグを引き続きキャスト。
「奥村:何でここに来たかというと、この前ロクマル釣ったから。うん、ルアマガのやつ。…ゆっっっくり、超スローに動かす。イメージは5cm動かしてポーズ。」、「5cmですか?」、「うん。」シェイクではなく5cmズル引いてポーズ。5cm動かすというイメージで釣りをしたことって…さすがにゲストにも経験がなかったことでしょう。集中力と忍耐力、必須です。

ヒットルアーのデスアダーホッグ#30ウォーターメロン/レッドフレーク。発売開始早々ビッグバス報告が引っ切り無しに寄せられている激やばワーム。
惜しくもバラシとなったが、大きな可能性を感じさせるビッグクランクのプロトモデル。

体力を奪う雨と風のなかでビッグサプライズ!

朝一度入ったディープホールに入りなおす。ポツポツという雨音とともに無言の時間がながれてゆく。気温は急激に低下。奥村はレインウェアをマリーナに忘れてきてしまったらしい。午前中着ていた迷彩柄のパーカーをしかたなく取り出した。「さぶ~っ!」本当に寒い。ボートをとばせば、僅かな時間で取りに行くこともできたはずだが、それだけ釣りの時間が短くなることを嫌ったようだった。
“1本でいい、ゲストに特大を獲ってほしい”。レインウェアを着込んだスタッフでさえ肌寒かったのだから、ウェアを着ずに釣りを続けた奥村の寒さは、相当なものだっただろう。雨に打たれ、全身ズブ濡れ。雨水が徐々に服にしみ込み、その冷たさは耐えがたいほど。

ゲストの2人も、朝イチの天気の良さから“雨はない”と判断したのだろう、ウインドブレーカーを兼ねたレインジャケットしか持ってきていなかったようだ。徐々にジーンズから雨水が滴り落ちるようになっていく。気がついたときには、ジーンズがテカテカになって物が反射するぐらいに濡れていた。

どれぐらい時間がたっただろう、奥村が小さくつぶやいた。
「きた。」ドバババ!デスアダーホッグのテキサスに40クラスがヒット。釣り上げたバスが口からタニシ?ではなく、小石を吐き出すという珍事!
相当寒さがこたえてきた。ゲストも何も発せずに集中力を維持している。「スタッフ:田口さん、大丈夫ですか?」寒さに震えている。「田口さん:はい、大丈夫ですよ!」笑って答えてはいるが、好きな釣りをしている最中だからこそ言えることば。

このあと奥村はつぶやいた。なんと!予告めいた発言…。
午後14時42分。「奥村:釣れるわ。」、「はい?」、「釣れる。この3人うちの誰かが釣る。予告や。予告いうか、予知。あはは(笑)」

夕刻まで残された時間は、あと約3時間。それまでこのポイントにかけるらしい。「ここはしょうもないわ…」魚探を見ながらエレキで流し、少しずつキャストポイントを変えていく。「ここやな。」3人とも同じセッティングで、デスアダーホッグのテキサスリグをゆっくりとズル引く。誰にくるのか?それともこのまま終わってしまうのか?そして…

午後15時17分、予告は現実のものとなった!
ウェブメンバーの目の前で繰り広げられたリアルロクマルハンティング!
■テキサスシンカー:レイン タングステンスリップシンカー3/8oz
■オフセットフック:デコイ キロフック#5/0
■ライン:東レ スーパーハードストロング20lb

「ここはいるゆうたやろ?」釣れたロクマルを自分の手に持った感想「田口さん:重いですっ!」、「水川さん:こんなになるもんなんだぁ~。」
「奥村:よし、がんばろう!」ロクマルは、自分たちの足元に、確かにいた。他にもまだいる?奥村がエレキを上げる気配はない。まだいる!興奮さめやらぬまま最後までこの場所で粘る。
この日まだ魚をさわっていない田口さんをバックシートから自分の近くに呼び、奥村は極力ロッドを持たずに、手さばきをマンツーマン指導。
「ゆっくりズル引いて、ポーズ。もし何かに強く引っ掛かったら、そこにそのまま置いておくのもいい。ラインは、常に張っておくより、たるませておいたほうがいい…魚が警戒するかもしれんからね。」ルアーのアクション、フッキングなど、もてる情報をリアルに提供してくれます。
ロクマルはこのポイントにまだいる。自分が操っているデスアダーホッグの目の前にいるかもしれない、というドキドキ。その後もキャストを繰り返す。


水川さん&田口さんよりコメント
関東でおかっぱり専門の私達が夢とする、琵琶湖でバスボート。しかも憧れの奥村さんと同船!!
当選のメールが届いたとき、心の底から喜びました。最初は嬉しさだけでしたが、日が近づくにつれ、不安と緊張でいっぱいになってきました。
当日、不安と緊張を残したまま出艇…。アドバイスを受けながら釣りをしていると、徐々に緊張も解れ、あとは釣果だけが不安でした。
結果、いいサイズの魚を釣ることは出来なかったけど、奥村さんがロクマルを釣るところを目の前で見ることができたのは貴重な体験でした。改めて奥村さんの凄さを実感しました。
激しい雨にもかかわらず、ズブ濡れになりながら、時間いっぱいまで私達に付き合ってくれた奥村さんに感謝しています!ありがとうございました!
関東で釣りをする私達にとって琵琶湖は「夢のある湖」でした。本当に楽しかったです。口にするのは簡単ですが、ロクマル、また狙いに行きます。
最後に、奥村さん、スタッフSさん、取材艇としてついてきてくれたセンドウさん、雑誌社Kさん、そしてdepsスタッフのみなさん、本当にありがとうございました!

雨でズブ濡れになりながらも集中を切らさず、デスアダーホッグを信じて、最後まで投げ続けてくれた水川さん、田口さん、ありがとうございました。寒かったでしょう、緊張もしたでしょう、本当におつかれさまでした。
今回、ロクマルはなんとガイド役の奥村の手に。残念ながらメンバー自身がキャッチすることはできませんでした。しかし、夢をあきらめないでくださいね!
また明日から、夢にむかって…。よい釣りを!